会長挨拶

同窓会会員の皆様には、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

本年七月五日に開催された同窓会総会において、佐藤保前会長のあとを受け、会長に選出され、大役を務めさせて頂くことになりました。偉大な先人達により受け継がれてきた十全同窓会の伝統・歴史を顧みるとき、身に余る光栄と存じますとともに、責任の重大さを痛感している次第です。

十全同窓会は、文久二(一八六二)年に淵源を有する医学部の同窓会として昭和七(一九三二)年に創設され、すでに八十二年の伝統をもつことになります。伝統は単に歴史を刻んだものではなく、時代を反映し、ときには時代を先取りして、新たな事象・革新を生み出し発展してきたものでありましょう。その伝統に立脚し、「会員相互の親睦を計り、母校の発展を期する」とする同窓会の目的に沿うべく、努力させて頂きたく存じます。会員皆様のご教示・ご支援、また、本部ならびに全国各地支部の役員の方々のご協力を切にお願い申し上げます。

現存の会員数は、準会員としての在学生を含め、八千二百余名を数えております。同窓会活動は、七月上旬に行われる総会の他、十全同窓会会報やホームページによる医学類・医学系の情報提供、各支部総会の開催と本部との交流、在学生(六年生)に対する高柳奨学金の支給、名簿発行等が主たる事業となっております。

会報は編集委員のご尽力により、近年『学生コーナー』『十全昔話』『JuzenFORUM HISTORICUM』『十全歴史ひろば』等の新しい企画が加わり充実し、会員には母校の状況・同窓会会員の活動状況を知る上で極めて有益であり、喜ばしい限りです。また、支部総会は昨年は全国三十四支部の内十五支部で開催され、参加者も三百四十名余にもおよび、いわば、同窓会活動の中心を担って頂いております。支部活動の一層の高まりをお願い申し上げます。私自身も、できるだけ支部総会には参加させて頂き、母校の最新の情報をお伝えすると共に、会員皆様からのご意見を頂戴する等、交流を深めたく存じます。一方、お膝元の金沢における総会の不振は十数年来憂慮され、幾つかの試みを行うも、改善に至らず残念であります。―故郷は遠きにありて思ふもの―(室生犀星)かとも思いますが、大学も金沢の町並みも大きく変わり、来年三月には北陸新幹線が開業します(金沢―東京、二・五時間)。これを契機に、母校金沢大学・金沢の街に想いをこめて、多くの同窓会員の方々がご出席下さるよう誌上をお借りしてお願い申し上げます。

時代の反映でしょうか、入会率の低下傾向(過去五年間、九八・九%〜八三・一%)、会費納入率の低迷(過去五年間、三六・六%〜四五・五%)等幾つかの課題がございますが、少しでも良い方向へと力を尽くしたく存じます。

もとより浅学菲才ではありますが、私を育てて頂きました母校への恩返しを致すべく、これまで理事・会報編集委員長・理事長・副会長として本同窓会の運営に関与させて頂きました経験を生かし、会員諸先生のお役にたつよう微力を尽くす所存であります。何卒、同窓会員皆様の一層のご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。

十全同窓会 会長 中村 信一